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いつものネットワークを大切に
横浜市・在宅療養児のための防災文化祭
 今回は2月7日に横浜市南区の神奈川県立こども医療センターで開催されたイベント、「在宅療養児のための防災文化祭」にお邪魔しました!
 在宅療養児とは、医療ケアを必要としている子どもたちの中でも、特に医療機器を装着、もしくは医療処置をしながら在宅で家族と過ごす子どもたちのことを指します。
「在宅療養児のための防災文化祭」って?
 このイベントの内容は、
・医療、教育、防災それぞれの専門家たちによるシンポジウム
・地域の人々、公的機関、NPOなど様々な団体による出展
・防災ダンスの披露、地域の音楽隊による演奏
 などなど盛り沢山!

 楽しみながら、在宅療養児のこと、防災のことについて知ることのできる、まさに文化祭!
取材にきた私たちもつい楽しんでしまいました。
 もちろん、ただ楽しいだけの文化祭ではありません!
 何か災害が発生した時に医療サポートが必要となる在宅療養児の防災について考え、学び、これからのまちの備えに生かすためのとても重要な場でもあるのです。
普段からの繋がりを大切に
 それでは、主催されているこども医療センター患者家族支援部新生児科の星野陸夫先生にお話を伺います!
───
全国の街の取り組みを見てきましたが、今回ほど色んなセクターの方が一緒になって盛り上げているイベントは珍しいと思います。
星野
普段からのお付き合いですね。私たちの普段の仕事は、行政と一緒にやらないと進みません。そのお付き合いがあったからこそ、今回の準備は横浜市の方が本当に一生懸命にやってくださいました。人工呼吸器の業者さんは普段も仕事で付き合っている方ですし、地域の人たちも多く参加していただいています。例えば横浜市に重症心身障害児のご家族の会をまとめたネットワークがあるんですが、普段から患者さんとしてお付き合いがありますから、お願いしました。
───
普段の繋がりをきっかけに、多種多様な強みを活かしあっているんですね。
「知ってもらえる機会」を作りたいから
星野
そもそも、『在宅療養児』って言われても全然生活のイメージがつかめないと思うんですよ。
───
そうかもしれないです……。
星野
例えば、大人の介護生活を送っているような方々だと介護保険というのもあって、アレンジするケアマネージャーさんがいます。でも、子供にはない。福祉の支援制度やサービスで子供に適用したものがあまりないんです。ご家族の皆さんは明るいですが、それぞれ大変な思いをしている。ケアが行き届かない制度の隙間を埋めるためにも、こうした繋がりを作る普段のネットワーク活動は意味があるんじゃないかと思っています。そういう、知る機会になってくれたらと思い、イベントを主催しています。
───
何か災害が発生した時の助け合いもそうですが、やはり「どのようなサポートをすることが必要で、何ができができるのか」を知っておくということはとても大切ですよね。
 星野先生のお話に出た、横浜市の方々は今回のイベントに対してどのような想いでご協力なさったのでしょうか?横浜市こども青年局こども保健福祉部障害児保健福祉課の浅野さんにお話を伺います!
自治体ができることを、できる以上にやる。
───
なぜ、今回の文化祭に協力なさったのでしょうか?
浅野
先生から説明を受け、これはとても大事なことだと感じました。在宅療養児について知らない方に知ってもらう良い機会ですし、防災も大切なことなので、両方出来るのは素晴らしいことですよね。
───
市の職員となると決められた範囲内でしか活動できないという声も聞くことがあります。そんな中でこうしたイベントに協力するのはすばらしいことだと思いますが、何が浅野さんをここまで突き動かしたんでしょうか。
浅野
とにかくいらっしゃる方が楽しめるお祭りのような感じのものにしたいと思ったんです。防災って馴染めない感じもありますが、ハードルを低くして多くの方に集まってもらおうと、色んなところに企画書を持って駆け回りました。
───
自治体によって、こういうイベントになると民間に全部任せっきりになってしまうこともあるようです。
浅野
私の場合は、課長をはじめ課内の協力があったからできたことだと思います。
 なるほど!それでは、同じく横浜市こども青年局こども保健福祉部障害児保健福祉課の神山さんにもお話を伺ってみましょう。
───
今回のイベントへの想いのようなものを伺ってもよろしいでしょうか?
神山
そうですねぇ。在宅療養児の方は数多く住まわれていますが、地域の人々と接点が少ない、受け入れ施設や病院が少ないといった不便な思いもあるそうです。この状況を、今回のイベントのような形で地域の方達に少しでも知ってもらいたいと思い、たくさんの人が来てくれるような場にできたらと考えていました。
───
なるほど、素敵なお考えですね。防災の観点からみても、普段からのコミュニケーションによって大きな違いが生まれると思います。
神山
私たちは病院の方が慣れていない、イベント事務の部分を担いました。役所が後援することで、人々に広く知ってもらえるようにお手伝いができればとも。ただ、初めての試みなのでどれだけの人が参加してくださるのかっていうのは不安でしたね。結果、かなりの多くの方に来てもらえて、今後地域のコミュニティーに広がってもらえればと期待しています。
───
今回をきっかけとして、今後に繋がる可能性はあるのでしょうか。
神山
もちろん!もしご要望があれば、来年以降もこうしたイベントを開催したいですね。
 星野先生、横浜市役所のお二人ありがとうございました!

 「在宅療養児への知識を広め、その中でも特に課題となる防災対策について考える機会を作る」1つの目標に向けて、横浜市全体が一生懸命に突き進む、素敵な連携の姿を知ることができました。
 横浜市南区のゆるキャラ、みなっちも盛り上げ役としてがんばっていました!
Writer:一般社団法人 防災ガール 重松貴子